札幌市内Kマンションの外断熱改修が北海道建築技術協会の会報で紹介されました

北海道建築技術協会の会報(13号)に当協会理事(設計部会長)で有限会社大橋建築設計室の大橋周二氏が設計・管理を行った札幌市内Kマンションの外断熱改修が紹介されています。

中央区Kマンションの特徴

南側が構造体である柱型内側にバルコニーが設置されたアウトフレームタイプ。外装仕上は南側柱型、手摺を含め3種類の磁器タイル貼り、1階エントランスは石貼り仕様。住戸数は26戸1フロアー2住戸(1住戸85㎡と104㎡の2タイプ)。外断熱改修実施に向け管理組合では、管理委託費用の節減をはじめ、2007年には高圧一括受電方式に改修し、共用部の節電など改修費用の確保を計画的に進めてきた。

外断熱改修工事の概要

    • 工事期間
      2016年3月末〜2016年7月末
    • 所在地
      札幌市中央区
    • 建物構造
      鉄骨鉄筋コンクリート造14階建て塔屋1階
      住戸数26戸、駐車台数23台内機械式18台
    • 敷地面積
      879.70㎡
    • 建築面積
      484.64㎡
    • 延べ面積
      3,622.90㎡
    • 建物竣工
      2001年(平成13年6月)竣工後14年経過
    • 工事内容
      屋上/アスファルト防水断熱、硬質ウレタンボード50㎜
      外壁/既存:磁器タイル貼り
      東西面:乾式工法XPS断熱材75㎜ + ガルバリュウム鋼板t0.4貼り
      バルコニー内:湿式工法:EPS断熱材75㎜ + メッシュ入り高耐久塗材仕上
      残存するタイル面、塗装面の補修
      バルコニー内/床ウレタン防水、天井手摺壁の補修塗装
      外断熱関連工事/換気フード交換、スリーブの延長、1階車庫天井内断熱材充填
      開口部建具は現状のまま使用、一部水切り材延長

外断熱改修工事中の検討事項

  1. 外壁の外断熱施工範囲について、南面の柱型は直接室内に接していないため、外断熱改修に含めず、バルコニー手摺壁と同様タイル補修。東西面の垂直壁は乾式工法を基本に断熱材75㎜+ガルバリュウム鋼板貼り、柱型梁型など凹凸の多い南北のバルコニー内外壁湿式工法を採用
  2. 乾式断熱と湿式断熱の施工範囲、外壁と手摺壁が連続する部分について一部断熱を行わないなどの判断、バルコニー出窓下の断熱材充填など、外壁形状が複雑なため設計段階での検討に続き、工事中の協議を逐次行い、納まりを協議し施工
  3. 外断熱関連工事は換気口フードの交換の他、バルコニー内に設置されている暖房・給湯用ボイラー設置部分については、外断熱改修後将来の機器交換を考慮し、断熱材の厚さを調整