理事長就任の挨拶

このたび宮坂幸伸前理事長の後任として、理事会のご推挙により理事長に就任いたしました。
外断熱工法を日本のスタンダードにするために、全力を挙げて職務に邁進する所存です。皆様方のご指導、ご支援を心からお願い申し上げます。

ご承知のように、住宅における省エネ基準が2020 年に義務化され、新築住宅での「ZEH(ゼッチ)」、「ZEB(ゼブ)」がはじまります。
しかし、コンクリート建物の「ZEB(ゼブ)」=(イコール)外断熱ではありません。内断熱でも開口部の性能向上により「ZEB(ゼブ)」となります。
内断熱と外断熱の違いは、
①外断熱は内断熱より厚く、切れ目ない連続した断熱ができる(省エネ)
②外皮を覆う(断熱する)ことで、構造体を守り、100 年以上の耐久性を持つ(耐久性)
③コンクリート躯体の温度が室温と同調することで、低温個所における結露やカビの発生を抑制する(健康)
など多くの利点があります。
すなわち、そこに暮らす人の経済・健康・資産を守る工法です。
但し、それは壁や屋上、床面の断熱だけで解決するものではありません。開口部や換気システムの性能、日射取得と遮蔽など建物を全体的に考える必要があります。

また、外断熱工法がわが国で広範に普及するためには、日本にける外断熱の権威、田中辰明博士が指摘する、「ドイツで長い時間をかけて確立された外断熱工法はフラウンホーファー研究所で長期に亘る耐候性試験を経て確立されたものである。わが国で頭の中で考え、提案された工法の多くは時間の経過と共にひび割れが入ったり、剥落を起すなどの事故を伴った。」(EAE 外断熱ガイドライン田中辰明博士)など、外断熱工法の現状についても情報を発信する必要があります。
引き続き、EAE(欧州外断熱協会)やEIMA(米国EIFS 産業協会)との交流を通じて情報を発信してまいります。

協会を取り巻く環境は益々厳しくなっておりますが、この5月19日の総会で提出されました「平成29年度事業計画」(別掲)に沿って事業を積極的、具体的に推進してまいります。
皆様方のご理解とご協力をお願いいたしまして就任のご挨拶とさせていただきます。

主な事業計画
□ 消費者との連携を強化します~NPO法人だから出来ること、伝えられること
□ NPO会員企業との共同作業の実施
□ 外断熱アドバイザー、マネージングアドバイザー制度を充実させてまいります。
□ 国内及び海外の外断熱調査や視察ツアーを企画します
□ 環境・省エネ住宅政策を推進する議員連盟を応援します
□ HP を充実していきます(別掲)
□ 官民が募集する助成金事業には積極的に応募します

2017年5月30日
特定非営利活動法人 日本外断熱協会(JAEI)
理事長 堀内 正純