おすすめの本

「日本のマンションにひそむ史上最大のミステーク」

赤池 学・江本 央・金谷年展 著    TBSブリタニカ刊  1600円+税

 

 

「究極のわが家『100年マンション』の誕生」

江本 央 著     東洋経済新報社刊  1600円+税

 

 

「外断熱は日本のマンションをどこまで変えるか」

山岡淳一郎 著   日本実業出版社刊  1500円+税

 

この三冊はいずれもRC造建築における「外断熱」の優位性について書かれた書である。「史上最大のミステーク」が刊行され、ベストセラーとなった1999年当時は我が国におけるRC造建築は無暖房か内断熱が当然視されていた時代だった。「外断熱」もガイダンネツと読まれることが多かった。「史上最大のミステーク」では1973年のオイルショックに際して欧米と我が国のRC造建築における省エネの対応は全く違ったと指摘する。それは我が国では内断熱で対応することが圧倒的だったのに対し欧米では外断熱で対応したことである。外断熱とは建物全体を断熱材で覆ったもの、外気温の影響を受けず、コンクリートの蓄熱性を最大に利用するもので、冷暖房何れも建物そのものの省エネ性能によって快適空間が維持され、冷暖房機器に依存する割合は少ない。更に外断熱では建物を外皮で覆うことから躯体の劣化が少なく、また室内の温度差、結露の発生が抑制される。「日本のマンションにひそむ史上最大のミステーク」ではこうした外断熱の持つ数々の利点を挙げ、逆に現在の内断熱を進めることの危険を指摘している。

「日本のマンションにひそむ史上最大のミステーク」の三年後に刊行された「究極のわが家『100年マンション』の誕生」では、内断熱のマンションに入居した女性の「入居し一週間もたたないのに壁じゅうすごいカビで・・」という相談から始まっている。そして内断熱は都市の瓦礫化を促進するとして、室内環境の快適さと設備更新も含めたライフサイクルへの適応性が保障されなければ、住むに耐えないマンションが林立し、瓦礫の山になってしまうのは目に見えていると指摘する。「理論なくして実践なし。実践なくして理論なし」がモットーであるとし、外断熱によって新社屋を建設、「データをとり続けているが、夏で気温25度、相対湿度50%、冬で気温22度、同40%が維持されている」と記している。そして百年マンション建設に至る経緯、概要が綴られている。寿命わずか三十年という短命、欠陥マンションをいつまで作り続けるのか、外断熱100年マンションで資産価値も倍増という著者の信念と、数字に裏打ちされた実像を示し、如何に外断熱が優れているかを知らしめてくれる書である。

「外断熱は日本のマンションをどこまで変えるか」では先ず「外断熱」がわが国でどのように位置づけをされてきたかを、「市場競争に参戦する前にリングから退場を命じられているようなものだ」とし、建設行政、業界の問題に触れている。そして「そもそも住宅の質、もっといえば都市づくりに対して生活者側からのアプローチはほとんど無視されてきた」とも指摘している。その上で、外断熱の優位性を多くの事例で示し、外断熱が建築物理学に裏打ちされたものであることも記している。多くの事例が示されているが、建築行政の在り方、現状についても言及している。その中には昨年来問題となっている断熱材の火災も含まれている。更に唯一の外断熱普及団体としてのNPO法人外断熱推進会議発足の経緯なども含まれていて、外断熱に係る幅広い流れを俯瞰するための書であると言える。

 

 

【「外断熱」から はじまるマンション選び!】

 

住居を良くすることと「外断熱」とは切っても切れない関係があります。あたかも京都議定書が発効されたこの時期に、外断熱に関し、わが国での歴史、その長所、短所、先進諸国の事情を知り尽くした著者が精魂を傾けて世に問う書が刊行されたことは眞に喜ばしいことであります。

本書は専門技術者でなくとも家庭の奥様やサラリーマン、学生の皆さんなど、誰にでも理解できるよう平易に書かれています。特に、これから住宅の買い替えや購入を予定している方、また改修を予定しているマンション管理者の皆さんには必携と考えます。

この本の出版を契機に正しい外断熱工法が世に理解され普及していくことを願っています。

著者の特定非営利活動法人外断熱推進会議事務局長の堀内正純さんは外断熱の普及促進に命を懸けています。この本の出版を機に、ますます外断熱工法が普及することを祈ります。

平成17年6月吉日  お茶の水女子大学 教授(現名誉教授) 田中辰明

(※注:特定非営利活動法人外断熱推進会議は、現在の日本外断協会の以前の名称です。)

 

多くの国民が外断熱の価値(または内断熱の問題点)を知らずに、 内断熱の建物を購入、建設していますが、あとで「外断熱がそんなに良いなんて知らなかった。損をした。」と考えたとき、誰がその責任を取るのでしょうか。この本は、そんな思いで書きました。

外断熱全般について書いていますが、本のタイトルを「「外断熱」から はじまるマンション選び!」としたのは、これからマンションを購入しようと考えているユ―ザーに知らせたかったからです。マンション購入者だけでなく、これから賃貸マンションやビル、病院や老健施設の建設を考えているオーナー、マンションの建替え改修を計画しているマンション管理組合、行政の方々にも読んでいただきたい本です。書店でご購読いただき、よろしければ周りの人々にご紹介いただければ幸甚です。

平成17年7月3日   著者:堀内正純(NPO法人 日本外断熱協会理事長)

 

 

尚、お求めになる際、書店にない場合は日本外断熱協会に在庫がありますので、お電話、メールでご注文下さい。