Q2:外断熱の建物はアトピー性皮膚炎に対して有効と聞きましたが?

A2:アトピー性皮膚炎とはアレルギー性疾患の一部です。アレルギーとは「過剰な免疫応答が生じて体に障害を与える現象」のことで、アレルゲン(カビ、ダニ、化学物質など)に反応した結果、皮膚に炎症を生じ、それがかゆみと知覚され、掻き壊しにより炎症が更に広がる、これがアトピー性皮膚炎といわれるものです。

子供に多い症状と言われていますが最近では大人になっても治らない人や、成人になってから発症する人も増えてきています。新築のマンションや木造住宅の内装材に使用された接着剤にホルムアルデヒドが含まれることがありこの、ホルムアルデヒド(注1)がアレルゲンとなりアレルギー疾患や気分が悪くなりとても住めない(シックハウス症候群)といった深刻な事態が数年前に発生し、最近ではノンホル(ホルムアルデヒドをまったく含まない)材料が多くなりました。

外断熱の建物は内断熱の建物に比べて内部結露が生じにくい構造になっています。また、内装は不要でそのためVOCなどを発生させる原因がありません。いったん結露が起こると(壁の内部やタンスの後ろなど見えない場合はやっかいです)空中に浮遊している菌が水分を栄養に繁殖します。その菌が増殖しカビとなり、このカビを目当てにダニ(注2)が繁殖します。このダニは立派なアレルゲンです。

結露場所を拭いたり換気することは対処療法で根本治療ではありません。根本的には建物を結露しにくい構造とすることが重要です。それには外断熱の建物が最適と考えます。

外断熱の建物に住むということは、結露とはほぼ無縁の生活を保障します。つまり体質的にアトピー素因のある人にたいしてもアトピー性皮膚炎には縁のない生活ができるということです。健康に暮らせる最適な居住環境の条件として外断熱の建物は有効です。

 

(注1)ホルムアルデヒドは揮発性有機化合物と言われ、VOCと表現されます。VOCには他に、アセトアルデヒド、塩化ビニール、トルエン、キシレン、などがあり脳や免疫系、自立神経系などに悪い影響を与えると言われます。

(注2)ダニは数万種いると言われ、住居内で最も多く見つかるのは、チリダニ科のコナヒョウダニとヤケ、ヒョウダニで、人を刺すことはありませんが、フンや死骸がアレルギーの原因物質となります。