事例2:西京極大門ハイツ

大規模民間分譲マンションにおける外断熱改修工事を関西で本格的に最初に行なった例です。総戸数190戸で築37年のマンションの大規模修繕工事を実施する際に、外壁全面に透湿性のあるビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)を貼付して、省エネや結露問題などの居住性能の改善と併せて資産価値の向上を目指しています。この大規模修繕工事は、国土交通省の「住宅・建築物省エネ改修推進事業」の補助を受け、総工事費約1億5千万円の3分の1の5千万円弱を補助金で賄い、管理組合側の資金負担を低減した中で施工しています。管理組合の合意を取り付けた当時の理事長の佐藤芳雄氏は、NPO法人日本外断熱協会の設立のきっかけともなった「日本のマンションにひそむ史上最大のミステーク」という本で外断熱工法を知り、大規模改修時に外断熱工法を施工する合意を組合員から取り付けるに至ったとの事です。当時は管理組合が補助金の申請を行なう事が必要であったため、すべての計算書類(省エネ化のための熱貫流量計算書等)や補助金申請書類を管理組合で作成したという稀有な例ですが、補助金採択や交付手続き及び組合員の合意形成等、管理組合の取組みについて大変参考となる例です。

(参照:マンション・ラボHP  https://www.mlab.ne.jp/management/eco_news01_20140812/3/

西京極大門ハイツ管理組合は、大規模修繕工事以前から省エネや電気代削減につながるさまざまな改修工事(太陽光発電設備の導入や高圧電力一括受電方式への切り替え他)を段階的に実施してきており、これらの取り組みが評価されて「京都環境賞」を2011年に受賞し、外断熱化工事終了後の2015年にも2度目の「京都環境賞」を受賞しています。

 

<西京極大門ハイツ大規模修繕工事の概要>

所 在 地  京都市右京区西京極大門町21番地

建物概要  地上7階建てRC造分譲マンション(総戸数190戸 1976年に建築)

発 注 者  西京極大門ハイツ管理組合法人

施  工  株式会社大兼工務店

外断熱施工 株式会社高本コーポレーション(日本外断熱協会正会員)

工  法  ウッドブリース外断熱工法 クラスPB

工事期間  2014年1月~6月

 

外断熱化工事着工前

外断熱化工事終了後

外断熱化工事(EPS断熱材施工中)