事例2:エステート貝取-2

NPO法人日本外断熱協会が外断熱改修工事の相談を受け、一級建築士で当協会会員の金子勲氏が外断熱改修外の設計コンサルタントとして参加し、国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金(1戸当たり100万円が上限)と多摩市の「既存ストック再生型優良建築物等整備事業」の補助金(1戸当たり50万円が上限)の両方の補助金を受けて、1戸当たり150万円という多額の補助金を受けて、断熱工事費の8割を補助金でまかなった事例です。

2つの補助金を同一年度で同時には受けられない制約のため、団地を2つの工区に分けて、A工区では1年目に外断熱を含む大規模修繕工事を国交省の補助金を受けて実施し、2年目にサッシ改修工事を行なって多摩市の補助金を受けています。B工区はその逆で、1年目にサッシの改修工事を行なって多摩市の補助金を受け、2年目には外断熱を含む大規模修繕工事を国交省の補助金を受けて実施し、1戸当り150万円の最大限の補助金を受ける事が出来ています。

当初予定していた大規模修繕の工事項目は、外壁塗装、屋上防水、給排水管の交換でしたが、補助金を受ける前提で大規模修繕等準備委員会が2050年度までの修繕費の総額の比較の試算を行なって決定した大規模修繕費用は、当初の計画より大幅増額の総額15億6,500万円(1戸当たり534万円)となりましたが、修繕積立金からの支出は1戸当たり277万円、国と多摩市から1戸当たり150万円の補助金を受ける事が出来ました。その結果、1戸当たり107万円不足となりましたが、住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」を受け、毎月の修繕積立金を増額して返済していく方式を取っています。月々の修繕積立金は増額となりましたが、次の大規模修繕はだいぶ先に延ばす事が可能となり、マンションの寿命を大幅に先延ばしする事が期待できる上に、各戸の居室の温湿度環境を大幅に改善する事が出来たため、居住者の皆さんは大きな満足を得ていらっしゃいます。


<エステート貝取-2 第3回大規模修繕工事概要>

所 在 地:東京都多摩市貝取2丁目6番

規  模  :地上3階~5階建、全14棟、総戸数293戸

完成・入居:1983年3月(旧住宅・都市整備公団の分譲)

大規模修繕工事発注者:エステート貝取-2住宅管理組合 

コンサルタント: 金子勲一級建築士事務所(ホームページ: aandc-support.jp)、マンダ計画

設計・施工 :三和建装(株)(元請)、StoJapan(株)(外断熱施工下請)

      (※2社ともに当NPOの会員)

工  期  :2021年5月 ~ 2023年1月

改修内容  :(38年目の3回目の大規模修繕工事)外断熱改修、外壁塗装、屋上防水、サッシ改修(カバー工法による交換)、玄関扉改修(交換)、共用部分・専用部分給排水管更新

※ エステート貝取-2の外断熱改修の記事等をご希望の方はメール下さい。(メールアドレス: info@sotodan-jaei.org )

※ 外断熱改修工事の写真提供:(株)A&Cサポート金子勲一級建築士事務所

 

 

 

 

外断熱施工中              外断熱改修見学会

 

  外壁の外断熱改修工事部分(湿式外断熱工法による)