Q3:外断熱の建物はどうして省エネやCO2(二酸化炭素)削減につながるのですか?

A3:外断熱の建物とはコンクリートなど熱容量の大きい(一旦温まると冷めにくい、また、一旦冷やされると暖かくなりにくい性質を言います)建物の外側に断熱材(繊維系や発泡系)を貼ることによって、まるで人間が服を着たような構造の建物をいいます。

図にあるように右が従来の内断熱(日本ではまだこの構造が大半)で左の図が外断熱の建物です。例えば冬季に室内で暖房器を使用するとき、壁や天井が一旦暖まるといつまでも冷めにくい、ということは暖房費が節約できることになります。

暖房に使用するエネルギーは、灯油でもガスでも電気でもこれらのエネルギーの製造段階ではすべて地球の温暖化につながるCO2を多量に排出します。つまり、外断熱の建物に住むことは暖房(または冷房)エネルギーが少なくて済むことを意味する、すなわち暖房費の節約は即、CO2の削減に寄与することを意味します。

 

ある試算では暖房時、外断熱の建物は内断熱の建物に比べて電気の使用量が約55%も少なくなることが証明されています。快適な居住環境を手に入れ、かつ省エネやCO2削減につながる建物は外断熱しかありません。実際に外断熱の建物を体験するとか外断熱の建物に住んでいる人の話を聞くことをお勧めします。

CO2は地球を温暖化させるガスの代表格です。地球はこの100年の間に気温が0.6度上昇しました。ある島は、このまま温暖化が進むと水没してしまうそうです。

CO2以外にもメタンガス、一酸化窒素、フロンガス(冷蔵庫や車のクーラーに使用している)が地球を温暖化させるガスとして知られています。

1997年12月に京都で開催された「地球温暖化を防止するための国際会議」(COP3)で日本は2008年から2012年までの5年間に1990年比で温室効果ガスを6%削減すること国際的に約束しました。しかし、現在の状況ではこの目標の達成は非常に困難であると言われています。産業、民生、運輸の3部門に分けて見ると、家庭生活や住居、ビルなどの民生部門の削減努力が不足しています。「衣」は足り、飽「食」の時代と言われています。これからは「住」のために、私たちは安全、快適、しかも地球に優しい環境を得るため、知恵と汗とお金を出す時期に来ているのではないでしょうか。急な用事以外は車を使わないこと、白熱電球からLEDへの取り換え、冷房温度を1度高くし、暖房温度を1度低くするなど、「我が家でできる温暖化対策」を考えるのも大事なことです。チリも積もればヤマとなる。これは真実です。