千葉市花見川住宅の外断熱大規模修繕工事現場見学会を実施しました

2021年4月から外壁の外断熱改修工事を実施中の千葉市花見川住宅外断熱大規模修繕工事現場見学会を2121年11月27日(土)に実施しました。当日は、国の研究機関である国総研の方々をはじめとして、マンション管理組合、外断熱施工会社、設計事務所の方々等、合計44名の方が参加されました。

見学会は、花見川住宅管理組合のご協力と、設計監理担当の(株)髙屋設計環境デザインルーム、施工担当の鹿島建物総合管理(株)とStoJapan(株)及び(社)日本リノベーション・マネジメント協会の後援により実施いたしました。

花見川団地は5階建てを中心とする163棟、5,742戸によって構成される巨大な団地で、分譲住宅と賃貸住宅に分かれています。1968年に建設され、既に50年以上経過していますが、今回の大規模修繕工事は、分譲住宅の40棟1,530戸が対象となっています。全体を11工区に分け、2021年から2024年までの4年間で順次施工する予定です。

国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金を受ける事により、躯体の長寿命化と居住環境の大幅な改善が可能な外断熱化工事を実施できることが決め手となり、大規模修繕工事を検討してから比較的短期間のうちに外断熱工事を実施することが管理組合で承認されたとのことでした。見学会に参加された皆様からは、活発なご意見とご質問をいただき、盛会で終了することができました。

日本の共同住宅が「内断熱工法」から解放される日は近づいている。

タイトル:日本の共同住宅が「内断熱工法」から解放される日は近づいている。

 この文言は月刊 建築仕上技術2021-12 131頁に掲載された 【私のはんせい記】~「改修設計」事始め~建築家 三木 哲氏の末文です。

氏は戦後、大量に建設された集合住宅の設計手法の中に西洋と全く異なる設計手法があった。それが鉄筋コンクリート躯体の室内側に断熱する「内断熱工法」であった。その原因は1965(昭和40)年に日本住宅協会が発行した「公共住宅標準詳細設計図集」という図面集があるがこの中では建物外皮の断熱工法は一貫して内断熱工法が採用されている。おそらく、当時の断熱の執筆者は鉄筋コンクリート建築を総合的に判断することができない空調学者でなかったかと思われる。と述べている。

一方、外断熱工法は、室内側に結露が発生せず、建物躯体の耐久性に優れる。さらに地球温暖化とCO2削減の要請を受けて国交省は「長期優良住宅ルフォーム推進事業」に建物外皮の外断熱改修を積極的に助成している。と述べ、タイトルの文言で結んでいます。

三木 哲 (有)共同設計・五月社一級建築士事務所顧問。              1943年生まれ。URD・建築再生総合共同組合・管理建築士建築家がメンテナンスを手掛けることなど考えられなかった時代 から「改修に」携わり、40年以上にわたって同分野を開拓し続けてきたパイオニア。

 

Web録画セミナー「マンション・団地の大規模修繕における外断熱化について」をご視聴ください

国土交通省の関連団体のマンション再生協議会からの依頼で、下記のWebセミナー録画を行ないました。

「マンション・団地の大規模修繕における外断熱化について」という題名で、現在下記のマンション再生協議会のホームページから視聴できます

マンション再生協議会のホームページを開いていただき、「2021Webセミナー ~法改正・カーボンニュートラル~」をクリックして、【第3部】を視聴ください(http://m-saisei.info/info/202111/からでも開けます。)。

約54分の内容で、2022年1月31日まで視聴可能です。説明用のスライドはダウンロード可能です。

マンション再生協議会のUR  http://m-saisei.info/

【第3部】

マンション・団地の大規模修繕における外断熱化について ~課題と対応~

①外断熱と内断熱

②外断熱改修とは

③日本とヨーロッパの外断熱改修について

④補助金利用外断熱改修事例

⑤補助金活用について

山岡淳一郎氏の記事「カーボンニュートラル 外断熱が定番へ」をお読みください

毎月発行されている「マンションタイムズ」((株)不動産経済研究所 発行)に、当協会正会員でノンフィクション作家の山岡淳一郎氏が毎回執筆している「住み継ぐ力 生き抜く力」第29回の連載記事で、「カーボンニュートラル 外断熱が定番へ」という外断熱に関する力強い記事が掲載されました。

日本外断熱協会と致しましても、今後の活動に非常にためになる心強い内容で、大変ありがたく思っております。

山岡淳一郎氏の記事をお読みいただき、外断熱への理解をさらに深めていただければと思います。

(※ 当協会ホームページに記事を掲載する許可を「マンションタイムズ」編集部から頂いております。)

山岡氏記事「カーボンニュートラル 外断熱が定番へ」

6月4日に総会と勉強会を開催しました

・コロナウィルス感染の影響で開催が遅れていた総会を、会場参加とZOOMによるWEB参加の方式で開催いたしました。令和2年度(2020年度)活動内容と決算を報告のほか、令和3年度(2021年度)の予算と事業計画について報告しました。

① 昨年度実施の外断熱化改修工事見学会に多数の参加者を得て、外断熱に対する理解が広められました。

② マンション計画修繕施工協会が主催するマンションクリエイテイブリフォーム賞を当協会会員の会社が施工に関わった案件で受賞されました。

◇ ビスタセーレ向陽台団地大規模修繕工事:(株)一ノ瀬建創、(株)高本コーポレーション

◇ 鶴川6丁目団地大規模修繕工事:建装工業株式会社

 

・今年度の事業計画については、昨年度に引き続いて外断熱化改修工事を施工中のマンションの視察を、今年の秋に予定しております。また、外断熱に係るコンサルタントや相談窓口を強化することも引き続いて行なっていきます。

 

・6月4日には勉強会も開催いたしました。堀内理事長から「まもなく20周年:外断熱のNPOとは」と題して講演を行ないました。2022年11月に日本外断熱協会が登記後20周年を迎える事を念頭に置き、外断熱化実施は、“①省エネ、②耐久性・資産性、③健康・快適性”に寄与する事を改めて強調した内容でした。

 

 

6月2日に公明党国土交通部会で外断熱の有効性の勉強会を行ないました

本年6月2日に衆議院第一会館の会議室において開催された公明党国土交通部会において、「日本における外断熱工法の現状と課題~脱炭素社会における建築物の外断熱工法の有用性についてから~」というテーマで勉強会を実施しました。当協会の堀内理事長及び夏目常務理事から外断熱工法の有効性(冷暖房の消費電力節減の省エネや建物の長寿命化等)の説明を講演資料を用いて行ない、経年マンションや病院などの既存及び新築のRC造建物の外断熱化が、今後の脱炭素化に向けて是非とも必要であることを訴えました。

講演後、太田昭宏元国土交通大臣からは、「我が家も夏は暑くて過ごしにくい。外断熱化を行なったお宅に伺ったとき、こんなに外断熱化した家が過ごしやすいのかと実感した。これからはエネルギーと環境問題である。本日は脱炭素社会における建築物の外断熱化の有効性について話を聞いて良く理解できたので、今後の政策に活かしていきたい。」との力強いお言葉を頂きました。

 

(注)上記の講演資料はPDFで保管しています。ご入り用の方は、外断熱協会事務所までメール(info@sotodan-jaei.org)にてお問い合わせください。

 

外断熱工法による大規模修繕工事がマンションクリエイティブリフォーム賞を受賞しました

昨年(2020年)見学会を行なった「ビスタセーレ向陽台団地」の大規模修繕工事が、(一社)マンション計画修繕施工協会(https://www.mks-as.net/company/)の第11回マンションクリエイティブリフォーム賞を受賞しました。施工者の(株)一ノ瀬建創(日本外断熱協会賛助会員)と見学会や講習会でお世話になりましたビスタセーレ向陽台団地管理組合及び設計監理者のエコリノ協議会が受賞されました。受賞おめでとうございます。

ビスタセーレ向陽台団地の外断熱工法による工事は、日本外断熱協会正会員の(株)高本コーポレーションが担当され、外断熱工事の結露防止など細かい配慮や、納まり等について配慮した提案力や創意工夫が評価されました。

同じく外断熱改修工事を行なった「鶴川6丁目団地」についても、第11回マンションクリエイティブリフォーム賞を受賞しています。こちらも、日本外断熱協会賛助会員の建装工業(株)が大規模修繕工事の元請施工を行ない、外断熱工法による工事は(株)高本コーポレーションが行なっています。

ビスタセーレ向陽台団地大規模修繕工事の概要と受賞者の声、及び鶴川6丁目団地大規模修繕工事の概要と受賞者の声を、(一社)マンション計画修繕施工協会のホームページの以下のPDF資料を転載してご紹介いたします。

 

資料-1:ビスタセーレ向陽台 概要

資料-2:ビスタセーレ向陽台 受賞者の声

資料-3:鶴川6丁目団地概要

資料-4:鶴川6丁目団地 受賞者の声

外断熱改修見学会を実施しました

2020年6月から外壁の外断熱改修工事を実施中のビスタセーレ向陽台団地の現場見学会を実施しました。昨年10月20日付で当協会ホームページトピックスにおいて見学会参加の募集を行ないましたが、10月31日から2週間おきに合計4回(10/31、11/14、11/28、12/12)行なった見学会に、自治体、マンション管理組合、マンション管理会社、設計者他、合計49名の方が参加されました。外断熱化工法によるマンション大規模改修を今後検討したいという意向の管理組合もいくつか出てきましたので、日本外断熱協会にとっては大変有効な見学会でありました。

今回の見学会は、設計監理を担当したエコリノ協議会(多摩NTの居住環境の向上を目指すNPO団体)と共催の形をとり、エコリノ協議会の改修工事設計担当で当協会の正会員でもある金子氏と、外断熱工事担当の(株)高本コーポレーションの高本社長(当協会の正会員で副理事長)及び改修工事元請の(株)一ノ瀬建創(当協会賛助会員)の現場所長に丁寧に現場の説明をしていただきました。

この工事は、省エネ改修工事として15年前から外断熱の研究を開始し、国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金を受ける事を大前提として、2019年に省エネ改修工事の設計を開始し、2020年6月から9ヶ月間という短い工期で工事を行なっています。

 今後外断熱化を考えていらっしゃるマンション管理組合や設計者の方々、改修工事に携わる施工者の方々のために、今回の外断熱改修工事の特色と実施後の効果を以下に示します。

〇各住戸の居住環境の大幅な改善(“夏涼しく冬暖かい環境”と“カビや結露の排除”)

〇大規模修繕周期の大幅な延長と大規模修繕工事費の削減(見込)

〇管理組合の改修工事に対する事務の低減(補助金の申請と受領は施工会社が実施)

〇補助金の有効活用(①改修工事費の約1/3を補助金利用 ②上限1億円をクリアー)

〇既存タイル貼外装部分のローコスト外断熱化+タイル貼工事の実施

以上、わからない点や質問等がある場合には、メール(info@sotodan-jaei.org)にてNPO法人日本外断熱協会(JAEI)に問い合わせください。

※参考資料として、「ビスタセーレ向陽台団地:外断熱化工事実施までの経過概要」を用意しております。入手を希望される方は、メール(info@sotodan-jaei.org)にてNPO法人日本外断熱協会(JAEI)に申込みください。その際は、氏名と連絡先電話をお知らせください。無料にて参考資料ファイルをお送りします。